仏画工房 楽詩舎 Shop で、購入された白描画を使用される場合いにご注意いただきたいこと。

出版社及び販売業者様へのメッセージ」は最下部にございます。

最近、塗り絵の力をおつけになったのか、「このショップの白描画を使って描いた仏画の展覧会をしても良いか?」といった問合せが多くなりました。
また、ごく僅かですが、このショップでお買い上げ、または描かせて頂いた仏画を販売されている業者さんもおいでになるようです。

現在までは、きちんと考えたことはありませんでしたので、「できれば、ご自分のお名前で、そのままの白描を利用した仏画を発表したり、販売するといった類のことは避けて欲しい」といった、ちょっと曖昧なお返事で済ませていました。

また、ごく最近、「ご自身が描いた仏画の寺院への奉納や一般の方に贈呈」といった行動を、いとも当たり前のように善行と信じて行動をとられておられる方が尋ねて来られました。
良くとれば布施行ともとれる行為なのですが、悪く取れば売名行為です。
その方の悪びれないあまりの自然体に愕然としましたので、こういったことに対する私たちの考え方と希望をまとめておきたいと思いました。

そこで、ショップ開設当寺には、こういった事態になることを想定していなかったこともあり、仏画工房 楽詩舎としてこの問題をどう対処していくか、改めて考えてみました。


【白描画を利用されるにおいて、心得ておいて欲しいこと】

まず、これらショップの下図(白描画)を使用して貴方が描かれたもの(作品)は、描かれている仏画全てを貴方お一人で描かれたものではないということを、きちんと認識して頂きたいと思います。

つまり、個人の作品として一般に発表されたり贈呈されたり、また寺院に奉納されるには無理があると思っております。

確かにこれ等の白描画のほとんどは、過去に描かれた仏画の資料を元に、我々の手により、ほとんどまたは、一から描き直したり、修正、補描して完成度を高めておりますが、私個人のまったくの創作作品ではありません。
また、「過去に存在する全ての仏画は、筆者の完全創作物ではない。」ということもあり、著作物としての明らかな根拠を示すことは容易ではありません。しかし、一例として、仏の腕やお顔など部位の位置の根本的な修正や衣の表現等、明らかな修正部分は、素人さんには一見分かりにくいですが、我々プロから見ればすぐにわかります。
また、面相の部分配置瓔珞の位置のずれなど気付くたびに、当工房既存の白描画に修正を繰り返し完成度を高めております。
ネットで販売するのは、下図としての白描画の完成度を時間をかけて修正したいが為で、紙による出版をしてしまいますと、修正がままならないからなのです。
世に多く出回る稚拙な仏画の下図を何とかしなくてはという想いでこのショップを立ち上げた由縁です。


「崇高な精神を表現する為の仏教美術としての仏画」を目指す仏画工房 楽詩舎には、人生を賭けて仏画の勉強をされている若者が居ります。
彼等は職人絵師として、また芸術家として「仏画の制作のプロ」を目指しています。

下図(白描画)は、そういった意味で我々仏画を制作することを生業とする者にとって大変重要な位置を占め、生活の糧ともなり得るものです
本来、そういった大切なものは表に出さないのが、この世界の常識でしたが、あまりに稚拙な白描画を下図として出版したりWebに掲載したりと、崇高な芸術作品としての仏画文化の質が問われようとしています。

仏画を描きたい方には少しでもグレードの高い良い仏画。美術作品としても鑑賞に耐えうる仏画を目指して頂きたく、仏画を描こうとする皆様の助けができればと、常々思っております。

仏としての仏画。 絵画としての仏画。大きく分けるとこの二つの観念が存在します。

先日、仏画教室の生徒さんによる「仏画展」を催したのですが、27日の最終日の一番最初に入って来られた、初老の紳士が、案内係り中の私に語りかけました。「これは、おたくが描かれたものですか?」「いえ、これ等はみな私の教える仏画教室で描かれた生徒さんの作品です。」と私。「・・・これは、仏さんとして観れば良いのですか?それとも絵画として観れば良いのですか?」と核心をついた質問を受けることがありました。

私の工房で生まれる仏画は、全国のお寺に納まるのが約95%。残りの5%が在家さんにお納めしているのが現状です。

現在の仏具店や表具店などを経由してお寺や在家に納まる薄利多売を目的に描かれた格安仏画や壁画は絵画としての鑑賞価値はありません。
そのほとんどが、悪い意味で形式的に描かれたものばかりで、絵師とは名ばかりで、きちんと勉強していない人が、自己流に描く事が多いのです。
極端な例では、そういった、仏画や壁画を請け負った、彩色業者は美術系の学校で学ぶ生徒さんをアルバイトに雇ったりして格安に仕上げます。
学生は素人です。
当工房では、たとえ美術系の有名な大学院を卒業しても、1年間は無収入で線描きの修行をします。

具体的に書き過ぎると問題もあるのでここには詳しくは書けませんが、仏画の体系化がなされていない今の時代は、古き良き仏画や壁画の保存修理ばかりに明け暮れ、肝心の新しい仏画を創作できる人物を育てることには誰も神経を配っていないのが現状です。
そんな中で、我々のような、絵画的にも価値がある、芸術性豊かな仏画を制作する絵師集団としての「仏画工房 楽詩舎」が、一部の『仏画』に想いをもった僧に認めていただいているのだと思います。

今のところ、在家にお描きすることが圧倒的に少ないので、こういったネットショップを開設し、写仏と共に一般に広まっている仏画制作の水準というか、本当の仏画とはこういうものですよ、と使命感をもって公に発信させて頂いております。
実はそれだけが目的なのです。


話を元に戻しますと、私どもの制作した白描画を元にして、そのまま色をつけて発表される場合は、あくまでも塗り絵なので、どこの、誰の描いた下図を利用したということを明らかにした上で、発表されるのなら、何も言うことはありません。

もちろん、このショップの下図を参考にして、ご自身でアレンジ制作されたものに関してはその限りではありませんが、なかなかそのアレンジ度を計ることが難しいことでもあります。こういった場合は、やはり下図の出所を表に出されて発表された方が誠実だと思われます。

次に、無償で、奉納または、ご友人、知人等に贈呈される場合ですが、有償、無償問わず、これも限度があると思っております。
例えば、ご自身が僧籍をお持ちの方とそうでない方とは、私どもの考えが変わるところではありますが、基本的には、一般的な著作物としてお考え頂ければ宜しいかと思っております。著作者の立場から御願いしますが、ご自身が作者としての奉納も寄贈も、著作者の権利保護の立場からいえば、絶対にしてはならないことなのです。

私どもの気持ちの中に、仏画はすなわち仏だから、誰の著作でもないといった考えもなくもないのですが、現行の法律では、すべて、「絵画」、「作品」つまり著作物とみなすのが通常ですので、この考えも、私どもの利害の観点から言えば、限度をもって※常識範囲内で御願いしたいといったことになります。

最後に、簡潔に申し上げますと、このショップにアップしてある白描画は、あくまでも個人(ご家族)の範囲内でご利用していただくことを前提に、ご提供しておりますこと、ご理解賜れば幸甚です。


※仏画工房 楽詩舎 藤野正観 の言う『常識範囲内』の説明

販売はもちろん、有償・無償問わず、公に発表、寺院等奉納・寄贈も含め、相談連絡なしに実行されることは著作者の権利を犯すことになります。
奉納は、お買い求めになった方が、ご本人が檀家としてお世話になっておられるお寺に、優れた仏画一点が適当と思います。
これも完成度を審査をさせて頂きたく思います。完成度が稚拙であったり、単に売名行為と判断した時は、下図としての利用許可をしません。
贈呈は、ご家族、友人数人程度にして頂きたいと思っております。

下図や新作仏画の販売や使用をご希望の出版社及び販売業者様は、ご相談下さい。
  こういった私どもの想いを共有して頂ければ、誠意をもってご対応させて頂きます。

2011年12月13日 更新

〒615-8204京都市西京区松室北河原町161番地 京都仏画館2F
仏画工房 楽詩舎 電話とFAX: 075-201-3160
代表: 藤野正観
(ふじのしょうかん)

info@rakushisha.com

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