以下 京都新聞2008年11月20日朝刊滋賀版

 彩り豊か「涅槃図」を新調  愛荘・浄光寺 22日一般公開
画家藤野正観さんが新たに描いた釈迦涅槃図。伝統手法で本格的に表具された(愛荘町・浄光寺)

 釈迦(しゃか)の死と、嘆く弟子や動物の姿を描いた仏画「釈迦涅槃(ねはん)図」を滋賀県愛荘町安孫子の浄光寺が新調した。22日午後零時半から一般公開する。

 同寺には、墨絵の釈迦涅槃図があったが傷みがひどく、門信徒が今春の親鸞聖人750年遠忌法要を機に、東近江市出身の仏絵師藤野正観(しょうかん)さん(58)=京都市西京区=に涅槃図(縦1・7メートル、横2・1メートル)制作を依頼した。藤野さんは「涅槃は仏教で最高の境地なので彩り豊かに華やかに描いた」と話す。

 絵が長く保たれるよう、一級表具技能士の藤井芳孝さん(72)=彦根市=が、和紙を丁寧に何度も張り重ねてその上に絵を表具。

 和田哲融住職(59)は「大事に見させてもらいます」と喜び、西村新八郎門徒総代(70)も「公開の機会も少ないと思うので、ぜひ今回見てもらえたら」という。

 午後1時から、藤野さんが「大和絵(日本画)と仏画の鑑賞の仕方」と題して講演。彦根の画家大橋文岱(ぶんたい)(1856−1937年)のふすま絵「寒山拾得」も披露する。無料。西村さんTEL0749(37)2887。