2017-07-26  中外日報  藤野正観仏絵師 極楽浄土 精緻に荘厳に


※写真は、取材時に頂いた掲載モノクロ写真と同じカラー画像を合成しています。


藤野正観仏絵師

極楽浄土精緻に荘厳に

 京都市西京区在住の仏絵師・藤野正観氏(66)は西山浄土宗来迎寺(和歌山県印南町)の「観経変相図(富麻曼陀羅)」を2年がかりで描き上げた=写真。

 本紙は縦188cm、横185cm。奈良県葛城市・富麻寺所蔵の原図に比べ約4分の1のサイズで、極彩色で精密に描いた。
現在表装中で完成は約1年後。

 原図にはない藤野氏のこだわりは、仏の顔に施した特徴的な彩色。ばかしにより、ハイライトや陰影を付け、立体感があるように仕上げた。細やかに描かれた仏の顔の全てにばかしを施すことは大変な労力を要したというが、「極楽浄土の様子を精緻に、そして荘厳に描こうと取り組みました」と振り返った。
 藤野氏は仏画工房「楽詩舎」を主宰。1995年に駒沢学園(東京都稲城市)の「平成大涅槃図」を制作。
18畳大の和紙に描いた大作で「涅槃図の藤野」として知られるようになり、「涅槃図」「両界曼荼羅」「富麻曼陀羅」といった大作を多数手掛けている。
2006年には、西山浄土宗総本山光明寺(京都府長岡京市)の「富麻曼陀羅」を制作した。

http://rakushisha.com